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【JR東日本】次期秋田新幹線をベースにした新検測車両開発

2025/10/08 JR各社

JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「勇翔2034」に基づき、モビリティ分野における究極の安全追求を目指し、AIやDXなどの新技術を活用した新たな新幹線専用検測車を開発すると発表しました。これにより、安全性と安心感を高めた新幹線輸送の実現に取り組むとしています。

現在、JR東日本グループの新幹線ネットワークは5方面にわたり、方面ごとに編成が異なる状況にあります。この課題を解決するため、全方面で共通使用可能な専用検測車を2029年度に導入する予定です。

新たな新幹線専用検測車は、次期秋田新幹線(E6系の後継車)をベースに開発され、同車両は最高速度320km/hに対応し、新在直通に運用可能な設計となります。

さらに、JR東日本グループは社員から新たな検測車のデザイン案を募る方針です。これにより、社内の多様なアイデアを未来の鉄道づくりに反映させるとしています。

概要

⑴車両形式      E927形
⑵検測開始時期    2029年度予定
⑶検測エリア     東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、山形・秋田新幹線
⑷最高速度      320km/h

主な検測装置

I、DXの技術を活用し、320km/hでの高速走行での検測に対応するとともに、省人化や遠隔からの無人検測の実現に取り組みます。さらに、営業車と同様に自動運転導入の検討を進めてまいります。以下に、搭載する主な検測装置を紹介します。

⑴軌道変位検測装置(レールの歪みを把握)
現在のEast-iでは、複数のセンサを用いて基準線からレールまでの距離を測定する方式を採用していますが、275km/hを超える速度での検測には対応できないという課題がありました。今後は、床下に搭載した1つの装置にセンサ類を集約した検測方式へと移行し、ALFA-Xで試験開発してきた2次元レーザーによる多点測定を導入します。これにより、より細かく正確なデータの取得が可能となり、高速かつ高精度な検測が実現します。



⑵電車線金具モニタリング装置※(電車線金具の状態を把握)
保守用車からの人力による至近距離検査に代わり、カメラで撮影した画像から電車線金具をAIで検知します。その画像をスクリーニングして電車線設備の良否の判定を行うことで、検査の品質を向上します。


図2:電車線金具検査の変更
※(公財)鉄道総合技術研究所の開発した技術をもとに検測装置をJR東日本研究開発センターで新規開発

⑶トロリ線状態測定装置※(摩耗、高さ等を把握)
現行のレーザー光のしゅう動面(パンタフラフと接する面)からの反射による残存直径の測定から、スリット光を用いたトロリ線下部形状のカメラ撮影に変更します。取得した画像よりトロリ線の断面形状や位置を把握することで摩耗状態等を高精度に検測します。


図3:トロリ線状態装置の変更
※(公財)鉄道総合技術研究所の開発した技術をもとに検測装置をJR東日本研究開発センターで新規開発

その他

その他今回開発する新たな新幹線専用検測車ならびにベースとなる次期秋田新幹線車両の詳細な仕様は、決まり次第、別途お知らせします。

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