JR各社

八木山峠:篠栗線編 篠栗~桂川 2023年11月見学

アシヲヂ / ashiwodi

福岡地域と飯塚地域を隔てる三郡山地を横断する八木山峠ルートのうち、鉄道路線である篠栗線での峠越えの様子をご紹介。福岡県

【峠の景】2023年11月見学
【八木山峠】
八木山峠は福岡と飯塚を結ぶ篠栗街道が三郡山地を越える峠で、途中八木山集落がある盆地を通過することからこの名がつけられているようです。福岡~飯塚間の交通路は、近代以前は篠栗街道、現代は国道201号線、国道201号線八木山バイパス、JR九州篠栗線とありますが、このうち八木山盆地を通るのは篠栗街道と国道201号線で、国道201号線八木山バイパスとJR九州篠栗線は南側を迂回しています。国道201号線八木山バイパスもJR九州篠栗線も八木山峠そのものを通ってはいませんが、福岡~飯塚間の峠越え交通ということで、八木山峠として扱うこととします。
【篠栗線の八木山峠】
篠栗線は吉塚~桂川間25.1kmの路線です。吉塚~篠栗間は1904/06/19に九州鉄道により運炭路線として開通し、その後1968/05/25に篠栗~桂川間が開通し全通しました。篠栗線の峠越え区間は後期開通区間の篠栗~桂川間となります。篠栗~城戸南蔵院前間は16.0~17.0パーミル、城戸南蔵院前~九郎原間は3.0~8.0パーミル、九郎原~桂川間は16.0パーミルの勾配で、鉄道の峠越えとしては比較的緩やかな勾配となっています。これはおそらく、開業年代が1960年代で建設技術の向上により、長大トンネルの採用や高架線の多用で急勾配である必要がない線形をとることができるようになったためと思われます。急勾配ではないとはいえ、篠栗線の八木山峠越えの分類は上がって下がるという標準型と言えます。
篠栗線の峠越えは線形や勾配的には特に厳しいものではなく列車も高速度を維持したまま走行していくので、あまり峠越えらしい運転の様子ではなかったかもしれません。しかし線路構造物は長大トンネルや谷を横断する高架橋などなるべく勾配を緩和するために採用された方策がとられており、それはやはり厳しい峠を越えるためのものであると言えます。