CHANNEL CHOHOKEI

チャンネル長方形

2024年4月に廃止予定「スカイレール」とは一体何なのか?

2023/09/12 その他・観光

写真:団地に向かい急勾配を上るスカイレールのゴンドラ

広島のスカイレールサービス、2024年4月に廃止へ


みなさんこんにちは、交通系ユーチューバーの長方形です。
今回は、廃止が決まったスカイレールについての記事を書いてみました。

広島県広島市安芸区にある住宅団地「スカイレールタウンみどり坂」へのアクセス交通として1998年に開通した、スカイレールサービス株式会社が運行する「広島短距離交通瀬野線(スカイレールみどり坂線)」が廃止されることが決まりました。

スカイレールサービスは、神戸製鋼所と三菱重工業が共同開発した懸垂式モノレールシステムで、レールに車両がぶら下がる格好で運行します。スカイレールみどり坂線は、みどり口駅(JR瀬野駅直結)~みどり中街駅~みどり中央駅までの約1.3kmを結んでおり、最大勾配は263‰(14°44′)という急勾配を有しています。

スカイレールサービスの廃止に伴い代替交通手段として、EVバスの運行が予定されています。このEVバスにより、団地内に16ほどの停留場が設けられる予定です。
当初は2023年末で廃止の予定でしたが、EVバス関連の施設の準備が整っていないなどの理由から廃止予定が2024年4月末に変更されています。

スカイレールサービスは、広島県内唯一の懸垂式モノレールシステムとして、開業以来26年間にわたって住宅団地に住む人々の交通を支えてきました。しかし、利用者数の伸び悩みや施設の老朽化などにより、廃止という結論に至った模様です。

今後、スカイレールサービスが代替交通手段として検討しているEVバスが、地域の交通を支えることができるのか、注目が集まります。

日本で唯一の交通システム

写真:ゴンドラが団地内を通過

スカイレールが動く仕組み


スカイレールは神戸製鋼所と三菱重工業が共同開発した懸垂式モノレールシステムですが、このシステムを使用した鉄道(正確には軌道)は日本にここだけしかありません。

【駅間はロープウェイ】
鋼桁のレールにぶら下がったゴンドラ(車両)をワイヤーロープで引っ張って動かす仕組みを採用しています。つまり、ゴンドラは自ら動いている訳ではありません。スキー場のゴンドラリフトのようにワイヤーで引っ張られているだけなの移動中はとても静かです。おそらく住宅地の上を走行することを考慮してこういった方式を採用したのでしょう。
ロープウェイと違い頑丈な鋼桁をゴムタイヤで掴んだ状態で走行するので風にも強いというメリットがあります。

【駅構内ではリニアモーター】
駅間移動はワイヤーロープで動いていますが、駅構内ではロープを離してリニアモーターで減速します。駅を出発する時はその逆でリニアモーターで加速し、ロープと速度が同じになったところでロープを掴みます。

【Uターンにはチェーン駆動?】
スカイレールはみどり口駅~みどり中街駅~みどり中央駅の3駅しかありません。その為、みどり口駅とみどり中央駅では車両がUターン(循環)します。Uターン方式を採用していた桃花台ニュータウンのピーチライナー(2006年廃止)は車体も長く連結構造だった為、大きく旋回する必要がありました。しかし、ゴンドラタイプのスカイレールは小回りが利きます。みどり口駅とみどり中央駅では、乗客を降ろしたあと、鉤爪のついたチェーンのような装置でUターンしている様子を見ることが出来ます。

【最短75秒ごとの運行が可能】
駅構内ではロープを離している為、途中駅で1つのゴンドラが停車中でも別のゴンドラを動かすことが出来ます。
スカイレールのゴンドラの定員は25人の為、団地の規模から考えてもラッシュ時には到底1両では対応できません。しかし、このロープウェイとリニアモータの合せ技を使用して最短75秒ごとの運行が可能だそうです。※37.5秒という情報もあり
しかし、実際のところはラッシュ時の臨時便でも3分以上の間隔を置いて運行されており、その力を持て余している様子でした。

スカイレール廃止の理由は?

写真:住宅団地に建設された鋼桁

広島のスカイレールが廃止される理由



スカイレールは2024年4月末をもって廃止される予定です。
1998年の開業から約26年、短い生涯に幕を閉じることになります。

【赤字経営】
スカイレールは、年間約1億円以上の赤字を計上しています。これは、利用者の数が当初想定よりも少なく、運賃収入が伸び悩んだためだと思われます。また、団地内にみどり坂小学校が開校(2011年)したのも影響しているようです。それまでは、みど口(瀬野駅)まで通っていた小学生がスカイレールに乗らなくなってしまいました。かつてはあった小学生専用車両も現在は

【部品調達の困難】
スカイレールは、日本に1例しかない特殊なシステムであるため、部品調達が困難で費用がかさむデメリットがあります。また、今後も維持・保守に多額の費用がかかることも廃止の要因になったのではないでしょうか。

【スカイレール廃止後は?】
廃止後は、代替交通手段として、電気(EV)バスの運行が予定されています。スカイレールがたった3駅しかないのに比べ、EVバスの停留場は16ほどになる予定だそうです。また、運賃についてはスカイレールが170円に対し、EVバスは200円を予定しているそうです。

スカイレールの廃止は、新交通システムの開発・導入のあり方を考えるうえでも、大きな意味を持ちます。ロープウェイとモノレールを組み合わせた画期的なシステムでしたが、その特殊性ゆえに、赤字経営や部品調達の困難などの課題も抱えていました。

今後、新交通システムの開発・導入を考える際には、こうした課題を踏まえた検討が必要になるでしょう。

【スカイレール】団地を滑るジェットコースター 大赤字でまもなく廃止


 << 前のページに戻る